バラスト水処理装置(BWTS)をはじめとするグリーン造船・海洋プラント資機材分野における世界市場の先導企業パナシアが、海洋情報通信技術(ICT)サービス分野において事業領域を拡大した。
造船・海洋資機材の技術を踏み台とし、海洋ICTサービス企業への転換を模索している。
パナシア(代表・李樹泰)は最近、「パナシア海洋衛星操縦システム(Pan MSCS)」を開発し、試験運用(ベータテスト)に入ったことを3日、明らかにした。
「Pan MSCS」は、造船資機材、船舶部品等から各種データを収集・モニタリングして現在の状態を診断し、故障予測から解決方法までを提供するソリューションである。
パナシアは、BWTSを搭載した大型コンテナ船数隻を対象として年末までにテストを進め、Pan MSCSのデータ収集処理能力、分析情報の応用性、海洋と陸上間の双方向の情報送受信などを集中的に点検する。
改善点を把握し、分析情報の需要者である船社の満足度とシステムの拡張性を確認し、BWTS搭載船舶全体に続いて汚染物除去装置、エネルギー低減システムなどパナシアの全製品に拡大する計画である。
そうなると、海洋を行き来する船舶内BWTSなどのパナシア製品の遠隔事後管理(AS)はもちろんのこと、モノのインターネット80(IoT)基盤の遠隔船舶モニタリングサービスの提供が可能となる。
<海洋ITサービス専門企業への転換を試みているパナシアのIoT研究開発の姿>
中長期の目標は、Pan MSCSを船舶の安全航行と経済的運航に必要な汎用ITシステムとして作ることである。
ここでビッグデータ78の技術を組み合わせて航海情報の総合プラットフォームを構築し、これを基盤として海洋ITサービス企業に変身することが最終目標だ。
パナシアの今回の事業変身は、国内の製造業界では珍しい革新的な企業活動として評価されている。
スマートファクトリー575が製造業の革新の話題であるが、大半の製造業者はスマートファクトリーを生産の自動化と効率向上に活用するだけで、業種転換やビジネス転換のツールとしては活用できずにいる。
パナシアは、過去数年間IT融合の研究開発に集中投資し、昨年全社的スマートファクトリー「eパナシア」を構築した。生産の自動化から船舶情報収集と新しい情報を提供するためのIoT80の技術力を蓄積してきた。
李樹泰代表は、「世界的な競争力を備えても、単品の製造には限界がある。4次産業革命の時代に合ったIT融合サービスを見つけたし、プラットフォームの競争力が成功を左右するだろう」としながら、「製造からITサービス業への変身に成功した、国内の中小・中堅製造業の技術革新のベンチマークモデルを作りたい」と述べた。